エポキシのブログ
エポキシの結晶化
エポキシは濁ったり結晶化することがあります。
これは、エポキシの主剤(A剤)の方だけに起こります。
硬化剤(B剤)には起こりません。
どのような時に起こるか
長らく温度が低い状態に置かれると起こります。具体的なデータはありませんが、温度が10℃以下なら2~3か月で結晶化するでしょう。
最初は透明性が無くなって濁ってきます。細かい結晶ができてきている状態です。ゼリー状になることもあります。さらに時間が経ってくると結晶は大きくなって下に白く沈殿してきます。
この濁りや結晶化は元の状態に戻すことができます。
容器ごと40~50℃くらいのお湯に浸けて温めると結晶は溶けて元通りの完全に透明なエポキシに戻ります。
エポキシ主剤は油に似ています。オリーブオイルは気温が低いと結晶になることがありますがそれと同じことです。ただ、オリーブオイルは気温が高くなると結晶は溶けますが、エポキシの場合は気温が高くなった程度では結晶は溶けません。40~50℃くらいまで温めてやる必要があります。
結晶化が起こりやすいエポキシ、起こりにくいエポキシがあります。以下、私が長年システムスリーのエポキシを扱ってきた経験からのおはなしです。
システムスリーエポキシ
これがもっとも結晶化しやすいです。倉庫で冬を越した在庫品はほぼ結晶化します。白い結晶が沈殿することもたびたびあります。
SB-112
結晶化はシステムスリーエポキシに比べると非常に少ないです。ごくまれに濁る程度です。透明だけど部分的にゼリー状になることがあります。白い結晶が沈殿するのは見たことがありません。
ミラーコート
ごくまれに濁る程度。白い結晶が沈殿するのは見たことがありません。
シルバーチップエポキシ、クリヤーコート
このふたつは濁りも結晶化も見たことがありません。どんなに温度が低くても素晴らしい透明度です。
以上、島根でのおはなしです。北海道とか、マイナス10℃や20℃になればまた違うかもしれません。
特にクリヤーなコーティングやファイバーグラッシングを行う場合は、使用する前に濁りや結晶化がないか確認することをおすすめします。クリヤーなコーティングやファイバーグラッシングには、低温でもほとんど結晶化が起こらないシルバーチップエポキシをおすすめします。