GIMER-STICK

エポキシのブログ

エギを作る

完成したエギ

「エギを作る」と題しましたが、このサイトの主旨はあくまで「エポキシ」。
ですから、はなしはエポキシを使った作業が中心になります。接着とコーティングです。
エギのデザインだとか素材とかオモリの重さと沈降速度の関係とか、そういったものは深くは触れません。
このへんは各自で研究してね・・


(1)木材の切り出しから接着まで

木材を切りだします。
板を2枚合わせにして同時に切ります。
ずれないように両面テープで貼っておくとよいでしょう。ただし全面に貼り付けるのではなく、小さく切って部分的に貼るようにしましょう。(あとで取り除くのが大変なので・・)
写真はバンドソーで切り出しているところです。もちろん糸のこでも可。

下書きをします 切り出します

写真下左が、切り出した材料です。
2枚を分けます。両面テープはきれいに取り除きます。
これより内部を加工します。
アイはステンレス製の針金を曲げて作っています。すっぽ抜けないように折り曲げるなどして工夫しましょう。アイの入る部分をくり抜きます。
おしりにはフックを付ける軸を固定しますが、今回はこの軸はあとで付けることにして、ガイドとなる仮の穴だけを掘っています。もちろんこの時点で軸もいっしょに接着してもかまいません。
オモリもあとで付けます。オモリを付ける穴も仮のものを掘っておいてもいいかもしれません。

切り出した材料 内部
接着します

合わせを確認してからエポキシ接着剤で接着します。
エポキシ接着剤は硬化後も収縮しないので充てんを兼ねた接着が可能です。
接着剤は両面に塗ります。
エポキシ接着剤が中を完全に満たし気泡が残らないように注意します。
このとき使うエポキシ接着剤は、 T-88ゲルマジック あたりがよいでしょう。
または硬化の速いクイックキュアー でもよいですが、可使時間が短いので手早く作業する必要があります。慣れない人はT-88やゲルマジックなど可使時間が長い接着剤がおすすめです。

接着したら動かないように固定し完全に硬化するまで待ちます。
このとき、あまり強く締め付ける必要はありません。あまり強く締め付けると、接着面からほとんどの接着剤が押し出されてしまい、接着力が弱くなってしまいます。
暖かい時期なら1日も置けばよいでしょう。
温度が低い時期は、1日経っても固くならないことがあります。そういう時はもっと時間をかけて硬化させましょう。

(2)エポキシで下塗り

成形の途中

接着剤がしっかり硬化したら木部を成形し最終的な形を決めていきます。
右写真は成形の途中です。まず周囲の4面を決めて削っていきます。エギは複雑な曲線でできているので、順序良く削っていかないとうまく成形できません。

成形が完了したら、最後にサンドペーパーで研磨して表面を滑らかに仕上げておきます。

木地固めのためにエポキシを塗ります。
木地固めの目的は、木地表面の強化、防水・耐水性の向上、次の工程の色付けのための下地を作ることなどがあります。

エポキシを塗る

エポキシの塗布にはグルーブラシを使うと具合がよいです。
ここで使うエポキシは、特にこれがよいということはありません。
シルバーチップエポキシクリヤーコートシステムスリーエポキシ 、このどれを使っても大差はありません。
ただ、粘度や硬化時間など性質がそれぞれ異なりますので、よりよいものを目指す方はそれぞれを試してみて自分に合ったものを探しましょう。

ちなみに私のおすすめは シルバーチップエポキシ です。これはアミンブラッシングも出ませんし、硬化剤も2種類(スローとファースト)があるので便利です。

またこれは、ルアーのコーティングにもおすすめです。

グルーブラシはこちらで扱っています。
「ヒロウッデンカヌーショップのサイト」

持ち手がないと困るので、フック軸の穴に針金を差し込んで持ち手としています。
全体にまんべんなくエポキシを塗り込みます。しばらく時間をおいて、足りない所にはさらに塗り足します。エギ全体に十分にエポキシを染み込ませることがポイントです。
塗り終えたらエポキシを硬化させます。
ここで注意することはエポキシの垂れです。厚塗りしたエポキシは重力によって下に垂れてきます。エポキシは硬化反応が進んで徐々に粘度が増してきて垂れもやがて止まりますが、しばらくの間は垂れやすい状況が続きます。

下塗りのエポキシが硬化したところ

エポキシが一方に片寄らないようにときどき上下をひっくり返すとよいでしょう。
また、エポキシでアイが埋まらないように注意しましょう。硬化した後で取り除くのは結構大変です。

エポキシでの下塗りは通常は1回塗りで問題ありません。エポキシを厚くしてもっと強くしたいなどの理由があればもう一度塗り重ねしてもよいでしょう。

昔からある方法で、ラッカー系塗料(セルロースセメント)で下塗りする方法があります。ラッカー系塗料は揮発成分が多いので肉付きが非常に薄いという特徴があります。エポキシは揮発成分がなく塗った厚さそのままで硬化します。エポキシ1回塗りと同じくらいの厚さにするには、ラッカー系塗料の場合5-6回以上もどぶ浸けを行わなければなりません。手間も時間もかかりますが、エポキシなら1回塗りで済むわけです。

(3)下塗りの研磨

下塗りの研磨

下塗りのエポキシが完全に硬化したら研磨します。
通常の温度では1-2日でカチカチになるでしょう。
ただし、温度が低いときは硬化が遅くなりますので注意してください。カチカチに硬化していないと研磨くずが粉状にならないのでサンドペーパーがすぐに目詰まりしてしまいます。
急ぐのでなければ1週間くらい置いておくとよいでしょう。完全にカチカチになって研磨しやすくなります。

最初は180番くらいから荒研ぎし、240番、320番というように徐々に細かい番手に変えて研磨します。
研磨後はこのように白っぽくなります。

(4)仕上げ

布の接着

仕上げにかかります。

ただエギの場合、仕上げの方法は人それぞれだと思います。
まあ、ここで紹介する作り方はほんの一例です。
「こういう方法もあるよ」くらいに読んでもらえればと思います。

今回は、次のような順序で仕上げを行いました。

1.下塗りの上にシルバーで塗装
シルバーのラッカー系塗料で吹き付け塗装をしました。

最終塗装前のエギ 2.網状の布を接着
今回は、網を巻き付けてからクリヤーのラッカー系塗料を塗って固着させました。

3.オモリの取り付け
オモリの取り付け穴はあらかじめ開けておきました。オモリはエポキシ接着剤で接着します。

4.フック軸とフックの取り付け
フック軸とフックはエポキシ接着剤で接着します。

5.最終の塗装仕上げ
最終的に色付けを行って完成させます。

塗装途中のエギ 今回は、まず下地(青色)を吹き付けで塗装し、そのあとで細かい模様を筆で書きこみました。

今回は、目玉も筆で書きこみましたが、市販の目玉を利用するのもいいでしょう。釣り具屋さんに行けば、シール式の目玉とかリアルなものなどいろいろあります。
ヒゲは今回は省略しています。ヒゲを付けるならやはり最後でしょうね。

完成したエギ

はなしはずれるけど、ここ松江近辺の島根半島はイカもよく釣れるよー。

それにしてもイカはどんなふうにして食べてもうまいよねー。
まあ釣りたてなら刺身がいいね。
焼いてもよし煮てもよし。
私が好きなのは、軽く焼いて一味マヨネーズを付けて食べるやつ。
あと、イカの塩辛。