GIMER-STICK

エポキシのブログ

木製ポストの修理

木製ポスト

うちのポストがかなり傷みまして直すことにしました。

もともと私が作ったものです。
左の写真はまだ傷んでない頃のものです。

日光は当たるし、雨や雪にもさらされるので結構傷みます。

実家にも同じポストを置いているけど、こちらは環境が全く違うので、10年くらいたつけどほとんど最初と変わっていません!!
実家は日光が当たらないし雨にも濡れない場所です。
塗装はツヤのあるまま!!
うちのポストとあまりの違いにびっくりします。
環境の違いでこれほど違うのか・・・・

まずはポストのふた。
ご覧のとおりのボロボロ
丁番のねじのところから傷んでねじが抜けてしまいました。
合板に杉板を貼った作りになっていますが、合板も杉板もはがれてバラバラです。
傷んでいるのは下側だけで上側(丸い方)はほとんど傷んでいません。
やっぱり下に水が溜まって乾きにくいからでしょう。
表面の塗装もほとんどはげています。

ふた ふた

まずは形を直します。
エポキシを混合して、まずはそのまま塗ります。
傷んだ木部によく染み込ませます。
十分に染み込んだら、今度はエポキシに木粉を混ぜて少し粘りを出します。これを塗ってからバラバラになったパーツをくっつけます。
エポキシはオールマイティーに使える システムスリーエポキシ を使っています。

エポキシの混合 エポキシを塗る

当て木をしてクランプで固定します。
当て木やクランプがエポキシでくっつかないようにポリエチレン(レジ袋)を挟んでおきます。
1日ほど硬化させればOKです。

パーツを合わせる クランプで固定する
ふたの表

ふたの表
研磨してからエポキシを2-3回塗ります。
研磨前なので杉板も汚いですが、研磨するときれいな木の色が出てきます。
(研磨後の写真がない。撮り忘れた)

ふたの裏

ふたの裏
こちらはあまり傷んでません。
日光も雨風もほとんど当たらないからでしょう。
軽く研磨してから上塗り塗料(WR-LPU)を塗っておくだけでOKでしょう。


これからはポスト本体の方。

ご覧のようにそうとう傷んでます。
エポキシのコーティングがひび割れてはがれてます。
表にはファイバーグラスクロスを使ってコーティングしています。
こういうものはだいたい角のところから傷んできます。

内側を見るとほとんど傷んでません。
塗料にもしっかりツヤがあります。
ファイバーグラスコーティングは脱皮するように簡単にはげました。

内側 コーティングをはがす

外側を研磨します。
研磨するときれいな木の色が戻ります。
ファイバーグラスクロスをかぶせます。

研磨 ファイバーグラスクロスをかぶせる

エポキシを混合します。
ファイバーグラスクロスの上に流してスクイージーで広げます。
エポキシが染み込むと透明になります。

エポキシを混合 エポキシを塗る

1日ほど置いてエポキシが硬化したら、はみ出したファイバーグラスクロスを切り取ります。
切り口は鋭くて危ないのでヤスリをかけて滑らかにします。

余分なクロスを切り取る 切り口にやすりをかける

ヤスリをかけて平らにする

クロスの切れ端を使ったので、重なったところがガタガタになっています。
ヤスリをかけてある程度平らにしておきます。

エポキシを一度塗っただけではファイバーグラスクロスの織り目が残ってザラザラです。
そのあともう一度エポキシを塗ります。
エポキシを塗り重ねることでクロスの織り目は埋まって滑らかな表面になります。

エポキシコーティング完了

エポキシを塗り重ねたあとです。
エポキシが厚く乗って滑らかになっているのが分かると思います。

この後の写真がありません。。。。<(_ _)>

これで完成とはいきません。
エポキシの塗りっぱなしでは耐久性に欠けます。
エポキシなどの合成樹脂(いわゆるプラスチック)は紫外線で劣化します。
耐久性を上げるためには紫外線をカットする必要があります。
それには、WR-LPUの上塗りが最適です。
WR-LPUには紫外線吸収剤が含まれていて、エポキシを劣化から守ります。WR-LPUのエポキシへの保護効果はたいへん優れています。
クリヤーを塗れば木目もそのままです。(クリヤーでももちろん紫外線カットの効果はあります)
WR-LPUも1回塗りではなく、回数を重ねると保護効果は格段に増します。3回塗りくらいはしたいですね。

WR-LPU(クリヤー)


さいごに・・・

この修理例はかなり傷んでからのものです。
ここまで傷む前にもっと早くなんとかしろってはなしです。ほんとうは。。

まず上塗りの塗装から傷み始めます。
ツヤが無くなってはげてきたりします。
その段階で上塗りをやり直せばいいんです。エポキシやファイバーグラスクロスが傷むまえに。
そうすれば作業は少しでいいし、大掛かりなことをしなくても済むのに・・・・・
と、いつも後から思うのでした。