エポキシのブログ
顔料のはなし-2
「顔料」のはなしの続きです。
うちのショップでは、顔料も販売してます。
顔料は、シルバーチップエポキシのような低粘度エポキシ樹脂、T-88のようなエポキシ接着剤、スカルプウッドのようなエポキシパテなどに使用できます。
エポキシに色を付けてコーティングしたり、接着剤に色を付けたり、パテに色を付けたりすることができます。
ちなみに、プロの画家さんやアーチストのひとたちは、顔料と樹脂などを混ぜて自分で塗料を作っている人もいます。ものすごく簡単に言うと、顔料と油を練り合わせると油絵具になるし、セルロースや溶剤と顔料を混ぜればラッカー塗料になります。
顔料はアイデアしだいでいろいろなことに使えるでしょう。
例えばこんな使い方があるかもしれません。思い付いたものをあげてみますが可能性は無限です。
- システムスリーエポキシを着色して色付きのコーティングをする。
- ジオラマに使うとき。低粘度エポキシを着色して濁った川や水の表現に。
- 色の濃い木材を接着するのに、接着剤が目立たないように色を付ける。
- ゲルマジックは硬化後は乳白色になる。これが目立って困るならば周囲に合わせて色を付ければよい。
- メタルウェルドは硬化後は灰色になる。これが目立って困るならば周囲に合わせて色を付ければよい。
- 黒い接着剤を作りたい。ゲルマジックたT-88などの接着剤に黒い顔料を混ぜればよい。
- 木材補修用のパテ。パテを周囲の色に合わせるために着色する。
- 部分的にパテ埋めするとき。あとで明るい色で塗装する場合、周囲とパテがあまりにも色が違うと上塗りしても下の色が透けて色むらになる。これを防ぐなら、パテを着色して周囲との差がないようにしておくのがいい。
- WR-LPUのクリヤーに色を付けたい。
- スパーウレタンヴァーニッシュに色を付けたい。
- ミラーコートに色を付けてコーティングしたい。
調色のこと
異なる色の顔料を混ぜ合わせると別の色が作れます。
絵の具と一緒です。絵の具もだいたい12色セットというのが多いですけど、色をそのまま使うことはまずないですよね。小さい子どもは色を混ぜて作ることを知らないのでそのまま使いますけど。
一番分かりやすいのが「白」と「黒」の混色。同じくらいで混ぜると灰色になります。
白を多めにすれば明るい灰色になるし、黒を多めにすれば暗い灰色になります。混ぜる割合を変えることで「白」から「黒」までの間の色を無限に作れるのです。
調色の例
- 白 + 黒 =灰色
- 白 + 赤 =桃色(ピンク)
- 白 + 青 =水色
- 黄 + 青 =緑
- 赤 + 青 =紫
- 赤 + 黄 =だいだい色(オレンジ)
調色の注意
明るい色を濃い方に変えていくのは簡単だけど、濃い色を明るい色に変えていくのは非常に難しいですね。
多数の色を混ぜすぎると濁ります。せいぜい3色くらいまでにした方がいいでしょう。
取り扱い商品
当店では、システムスリーの「ペースト着色剤」と「顔料(粉末)」を取り扱っています。
システムスリーのペースト着色剤は、エポキシ樹脂の主剤(A剤)に顔料を混ぜたものです。
顔料があらかじめ樹脂に混ぜ込まれていてペースト状になっているので、硬化剤と混ぜても短時間に混ざりやすいです。
使い方は、まず「ペースト着色剤」をエポキシのA液によく混ぜます。この着色されたA液の量に対して適切な硬化剤を混ぜてください。
顔料は粉末状のものです。
粉末なので液体に均一に混ぜ合わせるには多少時間がかかります。
A液とB液を混ぜてから顔料を混ぜると、顔料が均一に混ざるまで時間がかかるので可使時間が短くなってしまいます。(AとBを混ぜた時点から硬化反応は始まります)
可使時間を短くしないためには、顔料をあらかじめA液によく混ぜておいて、それからB液と混合するとよいでしょう。(はじめに顔料を混ぜるのはA液でもB液でもいいです)
A液とB液の割合は決められた割合になるよう注意してくださいね。
最初に、別々の容器にAとBを量っておくといいですね。それからどちらかに顔料を混ぜれば混合比はズレることはないでしょう。
ちょっと変わった顔料で「蓄光顔料」(ちっこうがんりょう)も取り扱っています。
これは「夜光塗料」と言った方がわかりやすいかもしれません。光を当てると光エネルギーを蓄えて、暗いところで光エネルギーを放出する(光る)という、特殊な機能を持った顔料です。
時計の文字盤とか、釣り用のルアーやジグなどに使われています。
この「蓄光顔料」も当店で扱っている低粘度エポキシや接着剤に混ぜて使えます。
「顔料」「ペースト着色剤」の詳細・販売のページはこちら→ 「塗料・着色剤」
もう少し書きたいので、
「顔料のはなし-3」
に続きます。
「顔料のはなし-1」